日本の世界遺産の数は23件になります。
奈良と言ったら大仏!鹿!という印象を持ちがち
ですが、そんなことありません。
大仏の印象が強いのはやはり神社仏閣が多いから
に違いありません。
今回は古都奈良の文化財が世界遺産になった理由と
8つの資産ごとの仏像ノミネート6選を紹介したいと思います。
どこにどんな仏像があるのか気になる方は
是非この記事を読んで一つの楽しみにしてはいかがでしょうか。
古都奈良の文化財が世界遺産になった理由
710年から74年続いた平城京の時代。
かつて都として栄えた奈良時代の歴史と文化を
8つの構成資産により感じられる事から世界遺産に登録されました。
8つの構成資産
構成資産 | 場所 | |
1 | 東大寺 | 奈良県奈良市雑司町 |
2 | 興福寺 | 奈良県奈良市登大路町 |
3 | 春日大社 | 奈良県奈良市春日野町 |
4 | 春日山原始林 | 奈良県奈良市春日野町 |
5 | 元興寺 | 奈良県奈良市中院町 |
6 | 薬師寺 | 奈良県奈良市西ノ京町 |
7 | 唐招提寺 | 奈良県奈良市五条町 |
8 | 平城宮 | 奈良県奈良市二条大路南 |
1998年に世界文化遺産に仲間入りした
「古都奈良の文化財」ですが、下記4つの登録基準が
認められています。
「古都奈良の文化財」世界遺産登録基準はコチラ↓↓
(ii)建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。
(iii)現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。
(iv)歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。
(vi)顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
8つの資産の仏像ノミネート6選!
東大寺
聖武天皇が願い752年に建立されました。
ノミネート「盧舎那仏」
大仏と言ったら奈良の大仏!
それがこの盧舎那仏になります。
仏の力で社会を変えようと創られました。
なんと言っても大きさが規格外、
大仏様が座る蓮座も含めれば約18mになります。
圧巻のサイズです。
興福寺
50.1メートルある五重塔で有名な興福寺。
50個近くの国宝が興福寺にはあります。
鏡王女が夫の藤原鎌足の病気平癒を願い669年に山階に氏寺として建立されました。
正式に興福寺と名前になったのは710年になります。
興福寺は釈迦如来、阿弥陀如来像、千手観音像、金剛力士像と
数えきれない仏像の宝庫であります。
その中でもノミネートは興福寺国宝館に展示されている阿修羅立像(153cm)
阿修羅は古代インドの戦いの鬼神あり、
釈迦の説法を邪魔しようとしましたが、釈迦の教えに感銘を受け、仏教に帰依しました。
3つの顔と6つの手が特徴的です。
右手に月、左手に太陽を持つと言われ、
四六時中休みなく仏を守る姿であります。
国宝 阿修羅像説明動画↓↓
春日大社
768年に藤原永手が平城京の守護と国の繁栄を祈り造りました。
春日大社は標高283mの御蓋山の、裾野に鎮座する神社です。
約3000もの灯篭の数は日本一を誇ります。
春日大社はなんとも珍しい鹿の像をノミネート
鹿の像は春日大社の伏鹿手水所(ふせしかのてみずしょ)と名付けられており、
春日大社参道沿いの二の鳥居近くにあります。
鹿が巻き物をくわえその巻き物の先端から水が流れるようになっていて、
その水で手を清めるといったものです。
しかしなぜ鹿が像として崇められているのかというと、
春日大社創建の理由となった神様「武甕槌命」が
白鹿に乗っていた事から、鹿は神の使いとして祀られるようになったからです。
鹿の像を動画で見てみましょう!!↓↓
春日原始林
春日大社の神域であるとし、
841年に周囲の山での狩猟や森林伐採を禁止し、人が立ち居入れないようにしました。
世界遺産の構成資産となった理由である自然そのままの原始林が東京ドーム約53個分!
しかし残念ながら代表的な大仏や仏像は原生林にいません。
春日大社の影響で神聖地化された森林です。
元興寺
588年に蘇我馬子の発願により「元興寺」が建立されました。
まだ竪穴式住居だった時代にいきなり屋根付きの家が出現しました。
蘇我馬子のセンスが飛鳥時代の豪族であり国を作った影の立役者たる所以なのでしょう。
ノミネートは「寄木造玉眼 南無仏太子像」
聖徳太子の2歳時の姿を仏像にしたものになります。
2歳から7歳まで東を向いて合掌しお経を唱えていた事でも有名です。
やはり聖徳太子は神の子なのでしょう。
南無仏太子像が展示されています。↓
薬師寺(やくしじ)
680年天武天皇が皇后の病気の治癒を祈願して薬師寺は建立されました。
現存する宗派では日本最古の法相宗は5世紀にインドより日本に伝来されました。
ノミネート「薬師三尊像」
心身の健康を守る仏様です。
両脇に日光菩薩、月光菩薩、中央に薬師如来がたたずみます。
金堂に安置されている国宝でもあり、日本仏教彫刻の最高傑作の一つです。


唐招提寺
759年に鑑真(開基)が建立した寺になります。
ノミネートはもちろん鑑真の彫刻像
「鑑真和上坐像」です。
高さ80.1cmの日本最古の肖像彫刻であります。
※本来御影堂に鎮座する鑑真の像は、大修理事業の為、
現在は新宝蔵に移動しています。(2022年3月まで修理)
平城宮
平城京が710年に誕生し、
当時の元明天皇が政治の拠点とする都市(平城宮)を作りました。
当時平城宮に入れたのは、貴族や皇族、関係者のみでした。
平城宮は神社ではないので、仏像は存在しませんが、
律礼国家としての国づくりが行われた都市でもあり、
「古都奈良の文化財」世界遺産構成には欠かせません。
当時の都市計画や生活様式を伝えるとても重要な建造物と言えます。
まとめ
「古都奈良の文化財」は8つの構成資産で成り立っている事がわかりました。
そして、奈良は大仏と鹿だけではない事がよくわかりましたね。
紹介した仏像6つをめぐる旅に出るのも良いのではないでしょうか。
・8つの構成資産
・仏像ノミネート6選
・東大寺
・興福寺
・春日大社
・春日山原始林
・元興寺
・薬師寺
・唐招提寺
・平城宮
※2021年4月現在も新型コロナウィルスの影響によって閉館の施設も多くありますので、
事前にホームページをチェックすることをおすすめします。
あなたの知らない日本史をどうぞ。
歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)
読み通すには一頑張りが必要かも。
読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
ネット小説も面白いです。
貴重なコメントありがとうございます。
日本史は奥が深く調べていくと止まりませんよね。
頂きました「北円堂の秘密」熟読させて戴きます。